転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

「ねぇ話し合いとか出来ないの?」

「出来たら苦労なんかしませんよ!!
身を滅ぼしたくないから皆口をつぐむんじゃないですか」

それもそうか……。
 アミーナの言葉に思わず納得する。
下手な事を発言して自分の首を絞めたら意味がないものね。困った……。

しかし婚約の話は、そう待ってはもらえなかった。
 それから数日後。催促の便りが来た。
向こうは、しびれを切らしているのかもしれない。
 下手に怒らせたら厄介だし。でもでも嫁に行くのもなぁ……。

 頭を抱えながら長い廊下を歩いていた。
すると話し声が聞こえてきた。
こっそり覗くとこちらの両親だった。

「やはり娘を向こうに嫁がせるのは、あの子が可哀想ですよ……」

「すまない。私の指揮が弱いばかりに。
 せめて私の命を引き換えにしてでも娘だけは、
見逃してもらえるように頼むしかない」

「あなた。そんな……お辞めください」

「だが、こうでもしないと……納得しないだろう」

そ、そんな……!?
 私が嫁がないとあの人が命を引き換えに?
いくら転生してここでは、優しくしてくれた父親みたいな存在だ。それに、ここの皇帝だ。
 そんな事をしたら、相手の思う壺だし皆も混乱するに決まっている。

わ、私が嫁げば……どうにか収まるの?
 本当は、凄く嫌。そんな……会ったこともないし極悪非道な男とだなんて。
 でも……私が出ないと。自分の中で必死に葛藤した。
そして一大決心をする。私は、部屋の中に入っていく。

「ユリア!?」

「私……その皇帝の元に嫁ぐわ」

「お前……それは、正気か!?」

「えぇ……本気よ。お父様。
それで国が救われるなら私は、人質でも嫁にでもなってやるわ」

< 6 / 130 >

この作品をシェア

pagetop