転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)
本当は、凄く嫌。だが、そうでもしないと
誰かが犠牲になるしかない。
私は、それを無視出来なかった。
正義感からなのか、ただの意地なのか分からない。
でもそれしか方法がなかった。
だが、ただ犠牲になるつもりはない。
その皇帝を打ち負かすものを見つけて……ギャフンと言わせてやりたい。
あんたの思い通りにならないと見せつけてやる!!
そう私は、胸を秘めて結婚を承諾した。
それから後日が経つと連絡を受けた侍者が迎えにきた。
お迎えが早いわね……それほど待ちくたびれたのかしら?
でも、まぁいいわ。私は、腕っぷしなら自信がある。
お望み通りに行ってあげようじゃない。
負けん気の強い私は、迎えに来た馬車に乗り込んだ。
専属の侍女であるアミーナも一緒に来てくれることに
口を滑らさないか心配だが心強い。
こちらの両親は、涙を流しながら見送ってくれた。
他の侍女や周りの人達もだ。
大丈夫よ……皆。
私がギャフンと言わせて絶対に帰ってくるから……。
こうして私とアミーナは、敵国であるエミリオン帝国に
向かうのだった。
エミリオン帝国は、隣にある大きな帝国。
アース帝国と比べて敷居も高く人口も数倍。
それと戦いを挑んでいた我が国も凄いわね。
呆れながらも外の景色を眺めていた。
何時間馬車で走ったのだろうか?
この世界には、スマホも電波通信もない。
なので連絡を取るのは、使いを頼むか伝書鳩など。
不便だし、何より寂しい……。
アース帝国は、いい街だった。
戦に敗れたから色々と大変だけど、他の侍女も両親もいい人達だった。
それに……元の世界。三浦君どうしているかな?
車に飛び出した私を見てびっくりしただろう。
お父さん……お母さん心配してないだろうか?
友達や部活や生徒会のメンバーも……会いたいな。
「大丈夫ですか?ユリア様。ご気分が優れないようで?」
「あぁ大丈夫よ……アミーナ。ちょっと思い出して懐かしくなっただけ」
「左様ですか……でもそうですよね。
我が国とは、お別れになりますものね」
私は、戻る気でいるけどね。
そう思いながらため息を吐いた。
一体私の人生は、どうなってしまうのだろうか?
恋愛ノベルみたいに上手くやれるか分からないし
逆に怒らせないといいけど……。
馬車は、そう思っている間にも走り続け
エミリオン帝国の敷地に入って行った。
確かに大きな国だ。緑も多いし進めば街が見えてきた。
アースと違う活気のある豊かな街だ。
ここで私は、生活をして行くのかと思うと不安もあった。
そして馬車は、これもまた大きく綺麗な宮殿の門を入って行くのだった。
目の前まで来ると緊張してきた。