転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

 ゼトリック様?って人は、私を見るとニコッと微笑んできた。
思わずドキッと心臓が高鳴る。すると私に近づいてきた。

「おや。君かな?アディの婚約者で皇后になるユリア皇女様って?
 はじめまして俺は、ゼトリック・チャールズ。隣国のチャールズ帝国の皇帝だ。
 アディとは、幼馴染みで親友でもあるからよろしくね」

「チャールズ帝国の皇帝!?あ、えっと……。
 はじめまして。さく……じゃなかったユリア・アースです」

私は、慌てて挨拶をする。
 うわぁ……あの男以外の皇帝が現れるなんて。
しかもこの男と親友で幼馴染みだとは驚きだわ。
 驚いているとゼトリック様は、クスクスと笑う。

「君の噂は、アディからよく聞いているよ。
大変勝ち気で可愛らしい女の子だって。
 確かに見てみれば、なんて愛らしいんだ。
これは、アディが惚れるのも頷けるね」

 そう言うと私の手の甲にキスをしてきた。
えっ……えぇっ!?
 思いがけない行為に心臓がさらにドキドキしてしまう。
するとあの男は、慌てて私から引き剥がすと抱き締めてきた。

「貴様……何、人の妻に手を出そうとしているんだ?
相変わらず女にだらしない奴だな」

「やだなぁ……ただの挨拶だよ?
 君も相変わらず純粋だね。極悪非道になりたいのなら
これぐらい平気でやれるようにならないと」

「フン。俺は、貴様みたいな女にだらしない男になりたいとは思わん。女は、1人で十分だ」

 いやいや。極悪非道になりたいのならゼトリック様の意見の方が正しいような?
 どうやらゼトリック様は、女たらしのようだった。
それに比べてあの男は……。

 女は、1人で十分だと言われて恥ずかしくも心臓がさらに高鳴ってしまった。
 ドキドキしているとそれを見たゼトリック様は、クスッと笑った。

「はいはい。お熱いね……君らは。
それより楽しそうにお菓子作りかな?
 へぇ……マカロンか。君も一緒になって作ったなんて凄いなぁ~どれどれ」

 ゼトリック様は、そう言いながらマカロンを1個摘まむと口の中に入れてしまった。
 あっ!!あの男に食べさせるはずが……。

「あ、おい。貴様……何、人の菓子を勝手に!!」

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