転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

私達は、密かに準備を始めた。
 そしてあの男のバースデーパーティー当日を迎える。
国内のあらゆる階級の人や招待された客人が、たくさんお祝いを兼ねて集まった。

一流シェフが作ったご馳走もたくさん運ばれた。
 ビュッフェ形式になっており、ホールの中央では、
招待客がダンスを楽しむようになっていた。
 今回は、そこにはお菓子は用意されていないが。

「俺のためによく集まってくれた。感謝しよう。
 今回は、盛大な宴だ。存分に楽しむがよい。
それと今日は、俺の誕生日以外で紹介したい奴が居る。
 この女が俺のつ、妻になるユリア・アース皇女だ。
これから……お、皇后としてやるからよろしく……」

 もう途中から私の自己紹介で噛んでいるし、声が小さくなっているわよ?
 どうやら私の紹介には、緊張しているようだった。
ちょっと心配になりながらも上手く挨拶が終わる。

 その後は、玉座の席に座るが、私も皇后の席に座った。
すると周りの階級の人達が順番に挨拶に回ってきた。

「皇帝陛下。お誕生日おめでとうございます。
良き日に誕生日を迎えられたことに感謝します」

「皇帝陛下。21歳のお誕生日おめでとうございます。
素敵な1年になるように心からお祈りしております」

 次々に挨拶が周りそのたびに返事を返したり、自己紹介するので疲れてしまう。大変なのね……陛下って。
お腹も空いてきたし、あの作戦もそろそろやらないと。
 様子を伺っていると最後にゼトリック様の番になった。
ゼトリック様は、お辞儀をする。

「アディ皇帝陛下。お誕生日おめでとうございます。
親友であるアディに幸せをお祈りしています」

頭を上げると私と目が合う。
 するとニコッと笑ってきた。あの目は、そろそろの合図だ。
私は、それに備える。
 挨拶が終わると賑やかなダンスタイムになった。
そうしたらゼトリック様が私に向かってこう発言した。

「そうだ。ユリア様。良かったら俺と踊りませんか?
ずっと座っているのも退屈でしょ?」

ダンスのお誘いだ。
 もちろんあの男は、はぁっ?とした態度になった。
だが私は、ニコッと笑顔を見せる。

「えぇ、そう思っていたところなの。
 陛下だと踊ってくれなさそうだしお言葉に甘えて
ご一緒させてもらおうかしら」

 大げさなように喜ぶとあの男の止める間もなく私は、席を立ち階段を下りていく。
 ドレスを踏まないように手で裾を上げながら
するとさらに慌て出すあの男は、怒り出した。

< 73 / 130 >

この作品をシェア

pagetop