転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)

「嫌じゃないけど……その……実感が湧かなくて」

半分本当で半分嘘。
 確かに。正式に皇后になるにしても実感は湧かないし
上手くやれるのかも分からない。不安もある。
 だがそれよりも不安なのは、私がなっても本当にいいのだろうか?

私は、異世界の人間。
 本当に皇后に継いだら二度と元の世界に帰れない気がして、それの怖さがあった……。
元の世界……。胸がズキッと痛みだした。
 何だろう……最近元の世界のことを考えると胸が痛むようになっていた。
そのせいもあり、あまり考えないようにしていたのに。

 するとあの男は、私をギュッと抱き締めてきた。
何か優しい言葉を言う訳ではない。
 ただ離れて行かないように抱き締めてくる。
あたたかいぬくもりに私は、さらに胸が苦しくなった。

 そして、しばらく抱き締め合った後。
いつもの別のルートで宮殿に戻る。するとアミーナとロンが慌ててこちらに来た。

「ユリア様~捜したんですよ!!」

「ど、どうしたの?アミーナ?」

 私を見るなり抱き締めてくるアミーナに驚いてしまいました。
何事だろうか?するとロンは、あの男に手紙らしき物を見せてきた。

 「今、アース帝国のに行かせている監視下から手紙が。
アース帝国に不穏な気配があるとのことです。
 何かされた訳ではありませんが、怪しい輩が帝国の周りをうろついていると……。
 アース帝国は、我々なのではないかと疑いの目が向けられて警戒されているようですね」

アース帝国に!?
 その国は、私が飛ばされた国で、この元の身体の持ち主が育った国だ。
 しかも怪しい輩って……誰?
あの男達は、そんなことはしないし。
 それに対して疑われているなんて只事ではない。

「何だと……!?俺は、そんな指示を出していない。
誰がそんなことを……心当たりはないのか?」

「それは、今取り調べ中です。
 アース帝国に恨みがある者達か、またまたエミリオン帝国に恨みがあり
疑惑を向けさせて再び衝突をさせたいのか、どちらかと……」

「確かに。後者の可能性が高いな。
 アース帝国が、また仕掛けてきたら再び争いが始まるぞ。
そうなる前に何とか手を打たないと」

 考え込むあの男に私は、慌てる。
そんなことしてなるものですが!!
 アース帝国は、本当の両親でもないけど、とてもいい人達だった。周りの人達も……。
 そんな国とエミリオン帝国を戦わせる訳にはいかないわ。

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