転生したら極悪非道な皇帝の妻になるが実は、ただのツンデレでした!?(9/29に修正済み)
あの男が警戒をしながら叱り飛ばしていた。
だが盗賊達は、クスクスと笑っていた。
「やはり作戦通りだったな。
アース帝国にうろついて問題を起こせばエミリオン帝国が動き出すと。
国から出てしまえば兵も薄くなる。俺達は、これを狙っていた。
悪いが皇帝陛下……あんたは、ここで死んでもらう。
そうすればエミリオン帝国は、我々のモノだ!」
な、なんて卑怯な!?
どうやらアース帝国にうろついていた怪しい輩は、この盗賊が犯人だったらしい。
しかもあの男の命を狙うための策略だったなんて……。
どうしようと思っていたらあの男は、アハハッと嘲笑った。
な、何でこんな時に笑っているのよ!?
私は、唖然としているとあの男は、さらに笑う。
「アハハッ……面白い。俺の命を奪うだと?
それは、この俺アディ・エミリオンに対して言っているのか?
無礼を通りけして笑えるな。だがそれは、無理な話だな。
お前ら戦いの準備を。絶対に馬車に近づけさせるな!」
「ハッ!!」
部下や兵達は、戦いに備える。
そして盗賊達とあの男達の戦いが始まった。戦だ!
私は、必死にアミーナを抱き締めた。怖い……。
これは、パフォーマンスでも冗談でもない。
本気であの男を殺そうと向かってきている。
それは、すぐに理解した。
兵も盗賊も戦い切り殺されていた。
アミーナは、ガタガタと震えていた。
私も初めて見る光景に頭が真っ白になるが、必死に何か回避は出来ないかと考える。
「ユリア。聞こえるか!?
貴様は、絶対に外に出てくるな。貴様は、俺が死んでも守ってやる!!」
「……陛下……!?」
あの男の言葉にハッとさせられた。
自分が殺されるかもしれないのに、こんな時も私の身を心配してくれていた。
しかも死んでも守るって……言ってくれた。
でも本当にそれでいいのだろうか?
私は、守られるだけで……。
違う。私は、自分の身は、自分で守ろうと異世界に来ても腕を磨いてきたじゃない。
それに私は、守られてばかりの性分じゃない。
今まで男勝りな副主将とか言われてきたじゃない!
負けるな……自分。
私は、抱き締めていたアミーナから手を離すと馬車の中に積んでいた荷物を開ける。
「ユリア様は?何を……」