イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡

「ちょ、ダメだよ!こんないいギター、私みたいのが触ったら!」

いかにもお高そうなピカピカのギターに、持つ手が震えてしまう。

「いいから」

なにやら少しわずかに声を弾ませた相良くんがそう言って、彼によるギター講座がはじまった。



「指は寝かせるんじゃなくて、こう立てるようにして押さえる」

「……っ」

教えてもらった弦の場所を押さえていた私の指に、相良くんの長い指が触れて。

そこから熱が伝わったみたいに心臓が速く音たてる。

私……どうしたんだろう。

前はそんなことなかったのに、最近相良くんといると心臓がバクバクするというか。

緊張、してるのかな。

こんなんじゃどんなに教えてもらってもコードの1つも覚えられる気がしない、なんて思っていたけれど。

うまく弦を押さえられて一音綺麗に弾けるようになると、それがすごく嬉しくて。

数十分の相良くんのわかりやすいレクチャーによって、とてもゆっくりではあるけれど、短くて簡単な童謡を弾くことができた。

それから、相良くんがどんな風に曲作りをしているのか聞いて実際に見てみたりして。

あっという間に1時間が過ぎていた。
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