イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
「最初に弾いたのとあとに弾いたの、丸山さんはどっちが好きだった?」
「えっ……どっちもすっごく良かったけど……あとの方が好きかな……」
そう言えば、彼が少し無邪気な顔で笑った。
「よし、じゃあこっちにする」
「え、私の好みで決めちゃっていいの?」
「うん」
いやうんって!
確かにどのメロディーも素敵だったけど!
満足げな相良くんが、ふたたびギターを弾いて今度は音に歌詞を乗せて歌い出した。
その瞬間、部屋の空気が一気に変わりはじめて。
胸の高鳴りが加速する。
「ほら、丸山さんも一緒に」
「えっ?!」
い、い、一緒にって!
そんな急に歌うなんてできないよ!
私は相良くんみたいなプロじゃないのに!
できたてほやほやの曲だし……!!
戸惑っている私をよそに、相良くんがスッと歌詞の書かれた用紙を私の方に近づけてきてくれて。
なんとか必死に体でもリズムをとりながら、サビを小さく口ずさむ。
すると、不思議とメロディーも歌詞も想像よりもスッと内側に入ってきて。
歌詞を見ながらだけれど、ラストのサビは完璧に歌えていた。
実際に歌ってみると、歌詞がさらに響いて。いい曲だと実感する。