イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡

嫌な予感がする。

その続きを言わないで欲しい、そんなことを思ってももう遅い。

「俺にとって純恋ちゃんって、もうファン以上に特別な存在なんだよね」

「……っ」

「え、え?!唯十それって!!……ほ、本気で純恋ちゃんのこと──」

俺よりも大きく反応したのは麻飛だけど、唯十はその先を言わせなかった。

「麻飛、そうやってすぐ型にはめようとするのやめようね?」

あまりにも優しく言うもんだから、それが逆に怖すぎる。

「特別は特別。それがどういう特別かは、今はすぐ答え出す必要ないと思ってるから。答えなんてでなくてもいいし、それにわざわざ名前をつけないといけない決まりもない。ね、雫久」

なんてこっちを見てニコッと笑う悪魔。

王子さまキャラとか爽やかだとか世間から言われているやつだけど、

この人が一番、腹黒くて性格悪いと思うと同時に、一生勝てないとも思う。

そのあとすぐ、ふたりはレコーディングがあると行って事務所を後にしたので、俺も家に帰ることにした。
< 191 / 250 >

この作品をシェア

pagetop