イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡

まるで全部、夢だったみたい。

宗介さんの運転する車に乗って数分。

「純恋ちゃん、色々本当にありがとうね」

窓の外の景色をジッと見つめていると、宗介さんがそう言った。

「あ、いえ……こちらこそ、たくさん貴重な体験をさせてもらって……夢みたいでした」

まさか、大好きなアイドルグループの一番の推しである唯十くんの住んでいるシェアハウスで本当に自分が料理を作ることになるなんて。

びっくりして倒れた日のことが懐かしい。ほんの一ヶ月前の話なのに。

みんな、私が作るものを本当に美味しそうに食べてくれて。

そして、唯十くんだけじゃない。

麻飛くんや曜さん、相良くんの良さもたくさん知れて。みんなのことが大好きになった。

芸能人としてじゃない。ひとりの人として。

みんなとの楽しかった思い出を思い出していると、外の景色が涙で歪む。

私のご飯を食べて笑顔になるみんなの姿も、一緒にホラー番組をみたときの子供っぽく騒ぐところも、バーベキューや花火ではしゃぐところも。

テレビの画面越しではない彼らも、本当に素敵な人たちだった。

もっと……一緒にいたかった。

そんな風に思うのは、わがままだろうか。
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