イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
新学期が始まって1週間がすぎ、平凡な日常が戻って来ていた。
クラスの友達と何気ない会話をして、自分で作った弁当をお昼休みに食べて、「純恋の卵焼きは格別!」と褒めちぎってくれる友達に卵焼きを取られて。
夏休み前と変わらないやりとり。
大きく変わったことと言えば、廊下で幼なじみの翔とすれ違っても、前みたいに苦しくなかったということ。
でもその代わり、授業で夏休みの宿題を提出した時に、相良くんに色々と手伝ってもらったことを思い出して、胸がギュッと苦しくなった。
放課後、グループのみんなと遊ぶときも、街中で聴く曲や広告はエンプやそれ宙のもので溢れ返っていて。
あの一ヶ月は夢だったんじゃないかと本気で思ってしまうほど。
相良くんの言うとおり、私は特別なんかじゃない。
ただの一般人で、彼らとは住む世界が違う。
今年の夏が、最初で最後。
あんな経験もう二度とできないだろうし、もうみんなと会うこともないんだろう。
……相良くんと、歌うことも。
グループのみんなと放課後の寄り道を楽しんだ後、そんなことを思いながら、とぼとぼとひとりで家に向かって歩いていると。