イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡

『隣に牧場もあるんだ』

唯十くんに手を繋がれたままそう言われてやって来たのは、子ヤギや子牛のいる牧場。

さらに奥にある小屋に乳牛がいて、そのミルクを使った濃厚ソフトクリームをさっきのカフェで食べられるんだとか。

「うわっ、かわいい……」

柵に近づくと、子ヤギが寄って来てすごくかわいらしい。

相良くんは、動物とか好きなのかな……。ちょっと苦手そうだけど。

って。

なんで今、相良くんのことなんて。

目の前に推しがいるのに、閉まって置くと決めた彼への想いがいちいちチラつく。

それでも、憧れの唯十くんと一緒に動物に触れて、エサをあげたりたわいもない会話をして。

それはすごく楽しくて。

あんなに遠いと思っていた彼とこうしているなんて。過去の私に言ったって絶対信じてもらえないよ。

でも……どうして相良くんが私とこんな風に過ごそうと思ったのか、理由がわからないまま。

牧場ののんびりした時間を少し楽しんでから、カフェの方へ戻って早速ソフトクリームを注文して。

特等席があるから、と唯十くんに案内されたのは、カフェの裏にある大きなテントだった。

グランピングっていうんだっけ……。
こういうの。

テレビや雑誌なんかでしか見たことない景色に胸が高鳴る。
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