イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
「すごい……こんなところ、初めて来た……」
「中に入って食べよ」
「う、うんっ」
テントの中には大きなソファにふかふかそうなクッションがいくつか置かれていて、ローテーブルもある。
家の中みたいだ。
テントとは思えない。
中に入って、隅々まで見てしまう。
小さな家具なんかもすごく可愛らしい。
ソファに唯十くんと並んで座りながら、ソフトクリームを堪能する。
ソフトクリームも食べ終わり、そろそろ宗介さんの待つ車へと戻った方がいいんじゃないかと思っていると、
「純恋ちゃん」と改まったように唯十くんに名前を呼ばれた。
「は、はいっ」
「……俺ね、純恋ちゃんが来る前は、自分はアイドルに向いていないって感じるようになってたんだ。辞めた方がいんじゃないかって」
「え……」
唯十くんがアイドルを辞める、そんなこと考えたこともなかったから、
本人の口からそんなことを思っていたなんて事実を聞いて、なんて言っていいのかわからない。
いろんなメディアで唯十くんを見ていたけれど、そんなこと微塵も感じさせなかったし。
だから、悪い意味で今、心拍数が上がった。
「でも、純恋ちゃんのおかげで、アイドルがなんなのか、知ることができた。今の俺がいるのは、純恋ちゃんのおかげだよ」
「わ、私?!」
唯十くんのために私が何かした記憶なんてまるでないから、自分のおかげだと言われて信じられなくて声が出た。