イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡

「あの日のおかげだよ。アイドルとしての入野唯十を取り戻せたのは」

「嘘……」

と心の声が漏れると「本当」とすぐ返って来た。

「涙を流した純恋ちゃんを見て、素直に、この子を元気づけたいって思った。そしてライブを見て喜んでくれた純恋ちゃんを見てハッとさせられた。俺の仕事はこれだって。落ち込んでいたり、苦しんでいたり、少しでもそういう人の支えになれるアイドルになりたいって明確に思えたんだ。それは紛れもない、純恋ちゃんのおかげだよ」

「そんな……私……」

大好きなアイドルに、そんなことを言ってもらえるなんて。幸せものすぎる。

そして、そんな風に考えられる唯十くんこそやっぱりアイドルが天職だと心の底から思う。

「だから、純恋ちゃんにはこれからも俺のこと見守っててほしいなって」

「もちろんっ!!そんなの当たり前です!!」

私はこれからも、ずっと唯十くんのファンだから。

「じゃあ、俺の彼女になってくれる?」

「え?」

ん?

今、何か聞こえた。

彼女とか、なんとか。

えっと……。
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