イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
唯十くんにキスされそうになって、相良くんの顔が浮かんだ。
アイドルに対しての憧れからくる好意と、恋愛の好きは全然違うことを知った。
唯十くんへの好きの気持ちと相良くんへの好きの気持ちは、別物だ。
いろんな感情が入り混じって涙となって溢れていると、突然、空気がふわっと動いて、私の体は唯十くんの腕の中にいた。
「イジワル言ってごめんね。冗談だから」
「……うぅ……どっから、が」
私のことを好きと言ったこと?
思わせぶりだって言ったこと?
「それは、純恋ちゃんのご想像にお任せする」
うっ。唯十くん、普段はものすごく穏やかで爽やかなのに。
そんな言い方するなんてやっぱり意地悪だよ。
「ただ、俺にとって、純恋ちゃんも雫久もすっごい大切な存在だってこと」
っ!?
なんで……今、唯十くんの口から相良くんの名前が出てくるんだと、驚いて思わず顔をあげると、
唯十くんが満足げに、いつもの爽やか笑顔で笑っていた。
「唯十くん……」
「雫久のこと、また助けてくれないかな?純恋ちゃん」
「助けるって……」
私が相良くんのこと助けたことなんて……。
「カイトくんの手、また引っ張ってよ。みーちゃん」
「え……」
カイトくんって、私が昔一緒に花火をした男の子。なんで今その子の名前が……。
しかも、『みーちゃん』は、その子が私をそう呼んでいて。
なんで、唯十くんがその呼び方……。