イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
「……」
いつも唯十くんには言い返しそうなイメージの相良くんが、今は何も言わず黙り込んでいる。
図星……なのかな。
どうしよう。
まったく歌えないわけではないことに少しホッとしながらも、唯十くんの言っていたことが気になって。
空っぽなんて。
曲を作ることと歌うことが大好きな相良くんがそんなこと言われちゃ、溜まったもんじゃない。
私は……私は今の相良くんのために何ができる?
考えて考えて。
体は勝手に動いていた。
座る相良くんの前に立って、その両手を取って優しく握ると、彼の手が震えていたのがわかった。
唯十くんの言う通り、表面上歌えていてもこのままだと彼の心がしんどいままだったと思う。
「丸山さん……?」
そう私を見上げる相良くんがいつもよりも幼く見えて、弱々しくて。
守ってあげたいって思った。
「私、相良くんの作る曲も、相良くんの歌ってる姿も、本当に本当に大好きだよっ」
相良くんみたいに素敵な歌詞を書く才能は私にはないけれど。
想いは伝わってほしい。
「……っ」
「相良くんのこと、見てるから。……待ってるからっ」
力強くそう言うと、我慢していた一筋の涙が頬を伝った。