イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡



「うわっ……すごい……」

あたりを見回して思わず声が漏れる。

エンプの煌びやかなライブとは違って、落ち着いた大人の色気を感じさせるセットに、胸が高鳴る。

動画サイトに上がっていたライブ映像をいくつか見ていたけれど、

やっぱり生は会場の大きさもお客さんの多さも実感できてステージの迫力も全然違う。

お客さんも、大人っぽいおしゃれで綺麗な女性やカップルが多くて、こんな素敵な方たちを虜にしちゃうそれ宙はすごいなと……。

帽子とマスクで変装した唯十くんと共に、ライブ会場の関係者用の席に着いて。

数週間前に、相良くんと一緒にエンプのライブに行ったことを思い出す。

あの時ステージで歌って踊っていた唯十くんと、今度は相良くんのライブを観ることになるなんて。

……相良くん、無事に歌えるかな。

少し不安になりながらステージをジッと見つめていると。

ポンと優しく肩に手が置かれた。

「純恋ちゃんが来たからもう大丈夫」

唯十くんは変装中のため、表情がちゃんと見えないけれど、今の声だけでも、

いつもの笑顔を見せてくれているんだろうってわかるから、心配していた気持ちが落ち着いて。

「はいっ」

唯十くんのセリフを信じて力強くそう言ったタイミングで、バンッと会場の照明が消えた。

ライブが、始まる───。
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