イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
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「……んっ」
なんだかすごい夢を見ていた。
ゆっくりまぶたを開けると、真っ白い天井が見えて。ほろ苦い香りが鼻を掠めた。
えっと……たしか私は、翔に振られ……。
あぁ、そうだ。振られる“夢”を見ていて。
「あ、起きた?」
へ?
てっきり、自分の部屋のベッドの上かと思っていたのに、
私の部屋にあまりにも似つかわしくない声が響いたので、
驚いて慌てて横になっていた身体を起こす。
「……えっ」
辺りはさっき夢で見たばかりの広いリビング。
そこに置かれた大きなソファの上に、自分が座っているのを確認する。
いや、なんでなんでなんで!!
あ、なるほど、まだ夢から覚めていないということなんだよね?!
焦りながらも、なんとか早くこの夢から出ようと目をギュッと瞑ると。
「……なにしてるの」
さっきのぶっきらぼうな声が再び響く。