イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
やめて。邪魔しないでくれ。
私は今から目を覚ますんだから。
「……その様子だとまだ調子悪いのか」
「……」
「そろそろ宗介さんが戻ってくると思うから。今日は早く帰って休んだ方がいい」
「……あの、」
思わず目を開けて、立ったままマグカップを持ってこちらを見てる彼に声をかける。
目の前にいるのは、あのバンドグループ、通称〈それ宙〉のボーカル、相良 雫久。
夢なのにやっぱりやけにクリアだとは思った。
そういえば、先週の音楽番組に彼が出ているのを見たっけ。
あぁ、だからこんな夢なんかに。
「なに。あ、あんたも飲む?コーヒー」
「……いや、えっと、邪魔、しないでもらえますか」
「邪魔?……こっちは運んでやって……」
彼がゴニョゴニョと何か言いかけたけどよく聞こえない。
「……私、今から夢から出るので!」
「……はぁ?」
そのクールな眼光が私に向けられる。