イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡

「これは全部夢なんです。よく考えたらおかしな話なので。エンプの唯十くんと麻飛くんに会えるとかっ……うん、そう、全部夢、」

そうだそうだ。
きっと、私は翔に告白なんてしてなくて、振られていなくて。

心の中でそう自分にも言い聞かせながらふたたびギュッと目を瞑る。

起きろ、私っ!!

「はぁ…………おい、」

えーーー。

人が集中してるっていうのに、なんで話しかけてくるかな。

「……なんですか」

あからさまにやな顔をしている自覚がありながら目を開ける。

相良 雫久って歌う以外は無口でクールなイメージだったのに。

まあ夢だから、イメージと違うのはそりゃそうか。

さっきよりもさらにこちらに近づいてきていた相良雫久が、

持っていたマグカップを私の手元に差し出してきた。

パンダのマグカップから湯気が出ていて淹れたてなのがわかる。熱そう。

ビターな香りがフワッと香って。

夢にしては……すごくよく香ってる、けど。
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