イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
「悪かったな。俺しか残ってなくて」
「え、いや別にそんなこと思って……!」
「顔に書いてあるけど」
「うっ、」
なんで。
思ってることバレてしまった。
だって相良雫久、いまだにどう接していいのかわかんないんだもん。
とっつきにくいというか。
芸能人なのに全然愛想振りまかないんだから。顔はすこぶる綺麗だけどさ。
まあ、唯十くんたちみたいにアイドルってわけじゃなくて、あくまで歌手だから、そういう面での違いがあるのかな。
「それより、宗介さんそろそろ曜くんのところにいかないとじゃ」
「あぁ、そうだそうだ。ごめんね純恋ちゃん、誘っておいて俺なんも説明できなくて!」
「いえ。大人気のアイドルや俳優さんのマネージャーなんですから、そりゃ!……私なら大丈夫です!」
そう。ここで頑張ってみたいって決めたんだ、私。
それは自分の意思だから。宗介さんばかり頼ってちゃいけない。
少しでも宗介さんの手助けができるようになりたい。
「代わりに雫久が部屋の案内してくれるから!じゃあ、雫久よろしくね!」
「あぁ。気をつけて」
「行ってらっしゃい!」
私たちの声に「行ってくる!」と言って早足で玄関に向かった宗介さんの背中を見送って。
玄関がガチャンと閉まる音がやけに響いた。