イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡
「じゃ、今から部屋回るけど、一回で覚えて。俺も暇じゃないから」
「あ、うんっ」
私がそう返事をすると、彼はスタスタと部屋を歩きだした。
「ここがキッチン。個人的なもの、お菓子とかレトルト食品とかはみんな名前書いて保管してる」
「なるほど。今までは、みなさん食事はどうしてたんですか?」
「完全に各々。みんな出かける時間も帰ってくる時間もバラバラだし。料理する人もいないし。出前とかコンビニとか。外で食べてくる人たちも結構いる」
うわぁ。
いくら若いからって、そんな偏った食事ばっかりだったら危険だよ。
それに一般人の私なんかと比べられないぐらいの忙しさなわけだし。
「そんな食生活続けてたら、絶対倒れちゃいますよ」
「ん。だから宗介さん、俺らのこと心配して丸山さんのこと呼んだんでしょ」
「……っ、」
『丸山さん』
彼にはじめてちゃんと苗字で呼ばれて、胸の奥がむずがゆくなる。
この間会った時は『あんた』としか言われなかったから。
「なに、」
横に立つ相良雫久を固まったままジッとみていると、明らかに声のトーンを低くしてそう言われた。
「は、いや、その、名前、覚えてくれたんだ〜と、思いまして」
「は?さっきも言ったろ。いやでも覚えるって」
「あ、はい、ですよね……さ、相良くん、」
とても変な感じだ。