一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

ブラックのパンツにブラックのシャツという服装の彼だったが、何人かの仲間といる中でもひと際オーラを放っていて、フロアでも目を引いた。

中性的なキレイな顔だが、身長は180cmぐらいあり、ブラウンの髪が時折右目にかかるのをかき上げる。
優しそうに微笑みながらも、なぜか瞳の中に影がみえたような気がして、私は彼から目が離せなくなった。

しかし、そんな彼の周りには、たくさんの女の子がいた。

『咲綾どうしたの?』
同僚の声に、私はなんて答えたのだろう?
完全にお酒の回っていた私は、自分から声を掛けた。
そう、私が声を掛けたのだ。
なぜか他の女の子ではなく、私を見て欲しいそんな初めての欲求が私の中に湧き出た。
あっという間に意気投合して、二人でお酒を飲み、優しい笑顔の彼に私は簡単に気を許してしまった。
恋愛偏差値の低すぎた私は、それが運命とでも思ってしまった。

そして私たちはお互い本当の名前も名乗ることなく一夜を共にした。
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