一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
ソファに置いてあったTシャツを着ると、真翔さんは私の前まで来て私の髪を撫でる。
「大丈夫。咲綾と真由ちゃんには俺がいるよ」
その言葉に私は自分の瞳から涙が零れ落ちるのがわかった。
それを拭おうと手を上げると、それより早く真翔さんが頬を優しく包む。
その手を振り払う気にもなれず、その温かさで自分の心が落ち着くのが分かった。
もう自分の気持ちには嘘は付けない。
また、私はこの人に惹かれて行っている。
そう思うしかなかった。
4年前のあの日は一瞬で恋におちた。
しかし、今はゆっくりとゆっくりと、この人の優しさと強さが私の中へと甘く浸透していく。
私にはそれを止める術が解らなかった。