一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
まさかあの人と一緒に働く日がくるなんて。
仕事だけでもブランクがあり不安しかない私は、スマホを手にすると初めて知った名前を打ち込み手を止めた。
自分の上司を知らなければいけないという使命感と、あの時知りたかったこと。
妊娠が分かったとき、少しだけ私は相手を調べようと思ったこともあった。
産む事だけは了承をもらうべきかもしれない。それに他に頼る人もいなかった私は、もしかしたらあのお金は何かの間違いで受け入れてくれるかもしない。そんな淡い期待もあの頃は合ったのかもしれない。
しかし、そんな私の期待とは裏腹に、誰も本名を知らなかったし、どこの誰か解らなかった。
そのことがさらに私に追い打ちを掛けた。
あの人は、もはや私の目の前からいないものとなり、憎しみや悔しさを増長させたのかもしれない。