一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
再会は残酷
駅のすぐそばの保育園でよかった。
そんなことを思いながら、私は久しぶりに履くパンプスで、苦労して自転車を止めると駅へと急いだ。

やはり朝バタバタしてしまい、出社時間ギリギリだ。
真由が小さい頃は近くのスーパーでパートだったため、時間ももっと遅かったし、スタッフの人達も一人で子供を育てている私に優しかった。

ずっとその環境にいたかったが、やはりお金は必要だ。

これまでなんとか、社員時代の貯金と真由が眠ってからの翻訳内職の仕事でなんとか生きてきた。

真由も3歳になり保育園にも慣れ、長い時間預けられるようになった。
貯金も底をつくし、これからどんどんお金もかかるだろう。
仕事をしなければ真由を育てられない。



電車を降りて、住んでいる場所とは全く違う高層ビル群を見上げると、嫌でも昔が思い出される。
誰もが知っている大きな会社に入社し、夢や希望がいっぱいだったあの頃はワクワクして歩いていた。
身だしなみには今の3倍の時間をかけ、秘書という仕事にプライドも持っていた。
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