一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
頭の中がグルグルといろいろなことでぐちゃぐちゃになっていく。
そんな私を静かにいつものように、真翔さんは待っていてくれているようだった。

少しして、真翔さんがゆっくりと口を開く。

「咲綾は3人で暮らすの嫌だった?」
最後は少し私を伺うように真翔さんは、私の顔を覗き込む。

もちろん3人の生活が嫌なわけない。
でも、いきなり父親と言われ真翔さんは本当にそれでいいのだろうか?

返事ができず私は覗き込まれた瞳を無意識に逸らしてしまった。

「咲綾、初めて会った日俺みたいな人間が嫌いっていったよな。というか俺が嫌いだったんだよな?」
そんな私に静かに真翔さんの声が響く。

あの時は二度と会いたくなくて、顔もみたくなくかった。

「今も変わらない?」

「そんなことはないです!」
真翔さんの言葉を遮るように、私は言葉が零れ落ちる。
そんなことあるわけない。
真翔さんは私たちにとても優しかった。楽しかった。幸せだった。
そして誤解がとけた今、私が真翔さんを避けたい理由などあるわけがない。

むしろ、真翔さんがあるのではないか?
そんな気持ちになってしまう。
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