一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「もう遅いけど、二人を連れて帰るよ」
私に聞くことなく真翔さんは言いきると、寝室へ歩き出した。

こうなれば何をいっても無駄だろうし、真翔さんの家のほうが荷物も今は多い。
何も持たずただ家出のように出てきてしまった私にとっても、その方が都合がよかった。

そっと扉を開けると、これだけ感情的に怒鳴ってしまった私の声にも、真由はぐっすりと眠っていた。
真由のそばに行き、ベッドサイドに真翔さんは座ると、じっと真由を見つめる。

「よく眠ってる。可愛いな」
そう言って真由の顔にかかった髪を耳にかけると、愛しそうに頭を撫でる。
その光景に、私はグッと唇を噛んだ。
何度も二人を見てきて、真翔さんは自分の子ではないと思っていたにも関わらず、心から真由を可愛がってくれていた。

「ごめんなさい……」
「違う、責めてないから。もちろん真由の小さい頃を見たくなかったかと言われたら噓になる」
真翔さんは真由から手を離すと、私に視線を向けた。
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