一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「でも、本当に真由が俺の子だって知って嬉しいよ。咲綾、こんなにいい子に育ててくれてありがとう。一人で大変だったよな。本当にごめん。これからは俺が守りたい」
その言葉に、とうとう私はまた涙が零れ落ちる。

真由の両親というつながりかもしれない。
それでも私はこの手を離すことが出来ない。

私の過ちから始まってしまったこの関係を、もう一度やり直してくれるのなら、私はこの手をあなたに伸ばしていいの?

私はもう一度あなたに恋をしてもいいの?
そんな思いで真翔さんを見つめると、真翔さんは少し困ったような表情をした。

「真由の前なんだけどな……。そんな顔する咲綾が悪い」
「え?」
自分でもどんな顔をしているかわからなかったが、顎を掬い上げられると今度ははっきりとキスをされる。
さっきよりも長く、なんども繰り返されるキスに私はキュッと真翔さんのシャツを握りしめた。

4年前のキスの記憶は酔いもあり曖昧だ。この優しいキスに私はドキドキとするのを抑えることが出来なかった。


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