一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
あの日から数週間、確実に私達の関係は変わったと思う。
真翔さんは、真由に対して優しいだけではなく父親として接しているように見える。
真由はよく理解をしていないだろうが、真翔さんがパパだと話をすると「パパいたの?」と嬉しそうにしていた。
それ以来、真翔さんをパパと呼ぶようになり、真翔さんに甘えたり、反抗したりと親子としての距離を縮めているように見える。
家族として、私たちは確実に進んでいるそう思えた。
「松永さん、そろそろ時間じゃない?」
私はここが会社ということも忘れ、ぼんやりしていたことに気づきハッとする。
ドアを開けて真翔さんはそんな私の方へと歩いてくる。
「どうした? 珍しいなぼんやりして」
まさか私たちの今の関係性について考えていたなど言えるわけもなく、私も時計をみると慌ててパソコンに視線を移した。