一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「データーだけ送信したらすぐに帰ります」
「どうした?」
真翔さんは本当に私の態度の変化にすぐ気づく。
「どうもしません」
視線を向けることなく、キーボードを打つ私の手が、真翔さんの手で止められる。
「咲綾」
一気に低く甘くなった声に、私はピクッっと体を動かした。
「今日は早く帰る」
そう言いながら私は手を引かれると、真翔さんの腕に抱きしめられる。
「専務、ここ会社……」
その言葉ごと真翔さんに塞がれる。言葉を発することができないほど激しいキスに私は驚いて真翔さんの胸を叩く。
ようやく離れた真翔さんに、私は大きく息を吐いた。
「苦しいです……」
呟くように言った私に、真翔さんはクスリと笑った。