一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「だって、あの表情の咲綾ってロクなことを考えていないときだから」
真翔さんのセリフに私は何も言えず黙り込んだ。
「やっぱり。さあ早く真由を迎えに行って」
そう言うと、真翔さんは私の頬を撫でると部屋を出て行ってしまった。

「はあ……」
真由はきちんと真翔さんとの親子の関係を築いているのだろうが、私は真翔さんに振り回されっぱなしだ。

真翔さんがどういうつもりで私にこうするのかわからない。

どうしてキスするの?
真由のパパとママとしてうまくやっていくため?

臆病で意地っ張りの私は、そのことを聞く勇気のない自分にため息を付きつつ、私は会社を後にした。




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