一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「ママーおわった。かえろう」
「うん」
そこへ真由が私のもとへくると笑顔を向けた。なんとなく教室を出て3人で園庭へと出た。

「仕事はだいぶなれました。そして先日はご迷惑をおかけしました」
園庭でまた真由は滑り台へと走って行ってしまい、私は副園長先生とならんで真由をみながら言葉を発した。

「いえ、慣れない仕事で疲れが出たんでしょう」
柔らかに笑いながらそう言った後、副園長先生はおもむろに言葉を発した。

「あの方」
「え?」
今までと違った声音に聞こえた気がして、副園長先生に視線を向けた。

「迎えに来た上司の方は、またお迎えにくることはあるんですか?」
「あっ……」
あの時連絡もなく、代わりの人が迎えにくることは本来ルール違反なのだろう。
もし私の代わりに来ることがあれば、申請などが必要だ。
「すみません、緊急事態だったので」
真翔さんも苦労したという言葉を思い出す。

「用紙とか……」
そう言った私の言葉に、副園長先生は言葉をかぶせる。
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