一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「そうなんですね。見た通りの方なんですね」
少しトゲを含んだ言い方になってしまったような気がして、私は口をつぐんだ。

「そうね。あの甘いマスクはまた副社長とは違うわね。副社長はクールだから」
そんな私に気づくこともなく、真壁さんはうなづいた。

「午後からは私も副社長の仕事もあるし、専務と打ち合わせをして。松永さんは経験者なだけあって特に問題ないと思うわ」

「え? もうですか」
そんないきなり!
私はかなり不安な表情をしたのだろう、真壁さんは驚いたような表情を浮かべた。

「大丈夫よ。何かあったらいつでも言って」
その言葉に私はもう何も言えなかった。
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