一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「こんな咲綾の表情を他の奴が見たかと思うと、嫉妬でどうにかなりそうだから俺の顔みないで」
少しぶっきらぼうなその言葉に、私はキュッと唇を噛んだ。
「だから」
そこで言葉を止めた私に、真翔さんは手を離すと私を見た。
「だから、あんなことしたのは真翔さんだけって言いましたよね?」
恥ずかしくて、照れ隠しのように視線を逸らした私に、真翔さんはポカンとした表情をした。
「それって……」
「そうですよ。あんなことをしたのも初めてだし、真翔さんだけです」
子供まで産んでおいてなんて会話をしているのだろう。
そうは思うも、もう隠し事などしたくない。
そんな思いで私は一気に言うと、真翔さんの反応が気になりチラリと盗み見た。
真翔さんは呆然とした表情で動きが止まっていた。その後手で自分の顔を覆うと、かなり大きく息を吐いた。
「本当に俺って……最低」
「え?」
意味が解らずにいた私に、真翔さんは自分の顔を隠すように私を胸に閉じ込める。