一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「酔ってたけど……。あの時の俺、咲綾のことも考えずに自分本位に……」
生々しいことをいいだした真翔さんの言葉を、私は慌てて手でふさぐ。
「大丈夫でしたから! 真翔さんは優しかった……」
私こそなんてことを言っているのだろう。ブワっと体が熱くなる。

「俺達何言ってるんだろうな」
その言葉に、二人で笑いあう。
「あの夜、咲綾がかわいくてもうどうにも止まれなかったんだ」
「だから真由ができちゃいましたよ」
少しふざけたように言った私に、真翔さんは真面目な顔を見せた。

「もう、二度と離さない」
その言葉に、私は静かに頷いた。

「4年分を埋めるぐらい、これから3人で幸せになろう」
真翔さんのいつもの私の大好きな笑顔と言葉に、ようやく心からこの人を信じられた気がした。
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