一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

そこへ二人のスマホが同時に音を立てた。

「礼華ちゃんかな?」
真翔さんは私を抱きしめたまま胸ポケットからスマホを出すと、メッセージを開く。

『真由ちゃんはもう眠ったわ。今日は二人の時間をすごしてね』
ハートマークのついたそのメッセージに私達は顔を見合わせた。
気持ちが通って初めてこうして抱き合っていることに気づいた私は、急激に恥ずかしくなり体温が上がるのがわかる。

「どうする? 真由迎えに行く? 咲綾がそうしたいなら」
私の緊張が伝わったのか、真翔さんが体を起こそうとするのがわかった。

「あっ」
うまく言葉が言えなかった私を、真翔さんはそっと腕を引いて起こしてくれる。

「咲綾に無理はさせたくない。これだけ待ったからもう少し待てるよ。真由を迎えにいこうか」
そう言いながら立ち上がろうとする真翔さんに、私は目の前のシャツを引っ張って止める。
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