一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「咲綾?」
不思議そうに振り返った真翔さんからみれば、私の顔は真っ赤だろう。

「今日は……二人がいいです。せっかくの日だから」
その言葉に真翔さんは驚いたように動きを止めると、私の頬にそっと触れた。

「本当にその意味わかってる?」
静かに問われた私は、ゆっくりと頷いた。
それと同時にフワリと身体が浮き上げる。抱き上げられたことが分かり、私は慌てて真翔さんの首に手を回した。

掃除意外滅多に入ることのない、真翔さんの部屋にドキッとする。
ゆっくりとベッドに降ろされると、真翔さんの香りに包まれた。

「あの、シャワーを」
咄嗟に出た私の言葉に、真翔さんは初めて見る熱を孕んだ瞳で私を見る。
「ごめん。もう無理」
そう言うと、真翔さんは私の唇をふさぎながら、私の部屋着を脱がすと素肌に直接触れた。

夏なのに思った以上に冷たい真翔さんの手に、私はビクリと身体が揺れる。そんな自分に恥ずかしさと緊張がピークになる。

「ごめん、冷たかった? 俺、自分でもわかるぐらい緊張してる」

「え?真翔さんでも緊張するんですか?」
その意外な言葉に私は驚いて問いかける。
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