一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「真翔、さっき電話で話があるって……」
お父様は真翔さんを見た後、私の存在に気づいたのだろう、私に視線を向けた。

「はじめまして」
ご挨拶をしようと声を発した私に、お母様が言葉を重ねる。

「なーに? 真翔ようやく彼女を紹介してくれるの?」
上品で大人しそうに見えるお母様だったが、とても気さくな方のようで、私の方へとやってきた。

「真翔の母です。初めまして」
そういうと、優しく笑いかけてくれた。その表情にホッとして私も言葉を発した。
「松永咲綾と申します。よろしくお願いします」
「咲綾ちゃんね。真翔とはどこで知り合ったの?」
興味津々で問いかけられ、私はどう答えるか思案しつつ真翔さんを見た。
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