一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「母さん、松永さんは俺の秘書をしてくれてる」
「ああ、社内恋愛? いいわね」
楽しそうに笑うお母様に、本当のことをいわなければと私は口を開こうとした。
その時、モニターから声が聞こえ、礼華さんと私はそちらを見た。

「あら、お姫様が起きたのかしら」
その様子に、お母様が嬉しそうに声を上げた。
「亜里沙の機嫌がいいといいなあ」
お父様まで、いつもの威厳などなく目尻を下げる。どこにでもいるおじいちゃんとおばあちゃんの顔だった。

礼華さんが隣の部屋へとむかってすぐに、亜里沙ちゃんと手をつないだ真由が目をこすりながら現れる。

「あら、亜里沙お友達と一緒だったの?」
お母様の問いに、真翔さんが説明をしようとしたのだろう、「母さん」そう声を掛けたところで、真由が、嬉しそうに私達を見た。
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