一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「僕のスケジュールはもう?」
一瞬の沈黙のあと、専務は気を取り直したかのように言葉を発した。
「頂いております。あと、進捗している案件の資料もいただきました。もう少しお時間を頂き関係部署からの報告を精査したうえでのご報告でよろしいですか?」
そんな私に専務は少し驚いた表情をしたように見えた。
「……専務?」
その意味が分からず私が問いかけるのと同時に、部屋の隅にある電話がなり、私は無意識にその電話を取った。
それは、海外事業部から回ってきた、どうしても専務に対応してほしいという中国からの電話だった。
チラリと専務を見て、専務が頷くのを確認すると、簡単な挨拶をして専務に引きついだ。
しばらく専務の電話を聞きながら、私はメモを取る。
電話を切った専務を確認すると、淡々と専務に声を掛けた。
「この件も引き続きリーサーチの上、ご報告します」
そんな私に、専務は意外な言葉を発した。
「完璧な中国語だった。その他にも?」
言語の事だと分かり、私はメモを取っていた手を止めると専務を見た。