一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「父さん……」
その言葉に、真翔さんもお父様に頭を下げた。
「でも、親族がいろいろと言っていると伺いました。大丈夫なんでしょうか?」
私は蓮人さんの言葉を思い出して、お父様を見た。

「ああ、どこかの令嬢と結婚しないと社長の座がどうとかそういう話だね」
呆れたようにお父様は言うと、ため息をつく。
「そんなもので、社長が務まるならみんな社長になれる」
そう言うと、私に柔らかな笑顔を向けてくれる。その笑顔はやはり真翔さんに似ているそう思った。

「まだまだ私も現役だ。心配はいらないよ。そして悠人と真翔だけじゃなく、実力のある人間が社長になるべきだ。お前たちも精進しろよ」
悠人さんにも聞こえるように言うお父様はとても素敵な方だ。

「おい真翔! しかしお前のしたことは男として最低だ。いいな、この償いは一生かけてしろ」
お父様の言葉に、真翔さんは嬉しそうに「わかってる」そう言うと私を見た。
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