一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「真由ちゃん、こっちおいで」
真翔さんに怒っていた時とは別人のように、お父様が真由を呼ぶ。
「なーに? おじいちゃま」
トコトコとおままごとのリンゴを持ったまま、真由はお父様の足元へと来ると、そのリンゴを手渡す。
「くれるのか? ありががとう」
そう言うと、お父様が真由を抱き上げた。
「本当に、小さい頃の真翔そっくりね」
お母様も真由の顔を覗き込むと、真由に笑顔を向ける。
「そんなに似ていますか?」
「ええ。すぐに真翔の娘だってわかるぐらいそっくりよ。この瞳もこの髪も」
お母様は嬉しそうに言うと、真由の頬を撫でる。
「一気に可愛い孫が二人になったわね」
嬉しそうにお父様に言うその姿に、私はホッとした気持ちと、穏やかなこの空間が夢のようで、幸せでいっぱいになった。