一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「後は、咲綾のご両親だけだな」
呟くように言った真翔さんの言葉に、私は一気にザワザワと心の中が音を立てる。
「咲綾ちゃん、ご両親は?」
その言葉に、お母様がハッとしたように声を上げた。
その問いに、答えたのは真翔さんだった。
「俺のせいで、ずっと勘当されているんだ」
「そんな……」
沈痛な面持ちのお父様とお母様に、私は申し訳ない気持ちになる。
「厳しい両親で……」
それだけを言葉にした私の手を、テーブルの下で真翔さんが握りしめる。
「だから、今度の夏の休暇は、咲綾の実家へお詫びと挨拶に行ってこようと思ってる」
真翔さんの言葉に驚いて、私は真翔さんを見た。
「俺はきちんとお詫びをして、許していただけるまで話すつもりだよ。咲綾を産んでくださった人だ」
その言葉に、私の心が温かくなる。
もう一人ではない。こんなに私の事を大切に思ってくれる人がいる。
私もきちんと向き合わなければ。そう思った。