一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
それから数週間後のお盆休み。
真翔さんは宣言通り、私の実家へ行くべく飛行機を手配した。
お父様たちも一緒にお詫びに行きたいと言ってくださったが、丁重にお断りをした。
どんな反応をするか娘の私でもわからない以上、とりあえず3人で行くことにした。
真由は初めて見るだろう飛行機に興味深々だ。
「ねえ、パパ。まゆののるひこうきどれ?」
そんなことを言いながら、窓の外を見ている。
「咲綾、大丈夫。俺が謝るから」
私の不安が解るのだろう。真翔さんは私の手をキュッと握りしめると柔らかく微笑む。
そう、真翔さんが絶対に譲らず、夏の休みを利用して私の両親に挨拶をしに行くことになった。
私としてもこのままずっと疎遠になるには避けたかったが、どうしても父と母に会うのは気が進まなかった。
「真翔さんにも嫌な思いをさせるかもしれないです」
呟くように言った私に、真翔さんは小さく首を振る。
「咲綾のご両親が俺に対して、怒るのはもっともだし、どんなことを言われても俺は平気だ」
私はそんな真翔さんの言葉が心強くて嬉しかった。