一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「もうここから、10分ぐらいです」
私は窓の外の見慣れた風景に視線を向けた。
さっきまで、多少前向きに考えられていたが、家が近くなるにつれて不安が大きくなる。
いきなり子供などいきなり連れて帰れば、この田舎で体裁を気にする両親が何をいうか。
そして近所にどんな噂をされるのか。
「真翔さん、やっぱりやめましょう」
そう言いかけた私だったが、すでに実家の前だということに気づく。
「咲綾、大丈夫だから」
「でも……」
そう言った私だったが、家のドアが開き中から人が出てきたことが分かり、ビクッとしてゆっくりと視線を向けた。
「おーい、親父、姉貴きたよ!」
「え? 将人?」
いきなり思った人ではなく現れた弟に、私は驚いて動きを止めた。
それにきたよっていった?