一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「早く入りなさい」
呆然としていた私の背中を真翔さんがそっと押す。
「咲綾。行こう」
真翔さんに促されるように、私は家の中へと足を踏み入れた。
和室が続く居間へと入ると、そこは昔のままの雰囲気で縁側からは大きくはないが庭が見える。
そこに長机が並べられていて、そこには料理が並んでいた。
その光景が信じられる、私は唖然として立ち尽くしていた。
「ママー真由のおせきここ?」
そこには小さな子供用のいすが置かれており、私は驚いてお父さんを見た。
「咲綾、ちょっと手伝いなさい」
台所の方から聞こえてきた声に、私は反射的に「はい」と声を上げていた。
台所へ行くと、お皿に唐揚げを盛り付けているお母さんがいて、私はその光景にもう言葉が出なかった。