一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「せっかく来たんだ。泊って行きなさい」
お父さんの言葉に、私は驚いて真翔さんを見た。
たぶん真翔さんはホテルを予約していたはずだ。
大丈夫だろうかと視線を向けると、笑顔で小さく頷いてくれた。

「いいんですか？　ではお言葉に甘えて」
真翔さんはお父さんににこやかに答えた後、真由に声を掛ける。
「おじいちゃんのお家にお泊りだぞ」
「わーい」
真由も嬉しそうに、縁側を走ったり庭に降りたりしている。

それをお茶を飲みながら、真翔さんとお父さんが話をしながら見守っていた。

そんな様子を、私はテーブルの上の片づけをしながら見ていた。
真翔さんに出会って、こうして何もかもが変わったが、それは私が真翔さんのお陰で変わったのかもしれない。

一人で頑張らなければ、それだけを思っていた。
でも、今はこうして少しずつ人に頼ったりしていいんだ。そう思えるようになった。