一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「かわいいわね」
そう言うとお母さんは私の前にアイスコーヒーを置く。
「うん」
静かに答えた私の横にお母さんは座ると、私を見た。
「ごめんね。一番大変な時に手伝えなくて」
その意外なセリフに私は、お母さんに視線を向ける。
「お父さん、ああは言っても絶対あなたから連絡があると思ってたのよ。もちろんお母さんも。咲綾を甘くみていたわね」
そう言いながら、お母さんはコーヒーを一口飲んだ。
「3カ月後ぐらいだったかしら。そろそろ手が必要だと思ってお母さんあなたに連絡して、あの使われていませんてアナウンスを聞いてどれだけ焦ったか」
連絡をくれてたんだ……。
「すぐに休みを取って咲綾の会社へ行ったけど、もう辞めた後だった」
「東京へ来たの!?」
驚いて声を上げた私に、お母さんは「当たり前でしょ」と苦笑した。