一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「真翔さん知ってたんですね。自分でも忘れてたのに」
エレベータが音もなく上がって行くなか、私は驚いて真翔さんを見上げた。
「誕生日当日は、もちろん3人で祝おう。今日は二人だけのお祝いをしたい」
甘く優しく微笑む真翔さんはやはり素敵で、私は顔が熱くなる。
「嬉しいです。ありがとうございます」
その言葉と同時にエレベーターの扉が開く。そして目の前に現れたのは、キラキラと輝く東京の夜景だった。
「きれい……」
呟くように言った私に、真翔さんが自分の腕に私の手を回すとエスコートするようにレストランへと向かう。
「お待ちしておりました。大村様」
完璧な笑顔のスタッフの方に案内で、夜景の見える個室へと案内される。
「個室だから、気にせずリラックスして」
私が少し緊張していたのがわかったのだろう、真翔さんの言葉に頷いた。
「こうして咲綾と二人きりなときぐらい、すこしだけ大人の雰囲気でお祝いしたくて」
真翔さんはそう言うと、慣れた手つきでワインをテイスティングする。
そんな姿も素敵で、私はつい見とれてしまった。